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なぜサイバーセキュリティといえば英国なのか? 

今日のデジタル世界で発展を遂げるためには、消費者や企業間において信頼関係を構築することが不可欠です。英国はこの点で最前線に立っています。
 

  • 2018年、英国政府は2021年までにサイバーセキュリティに19億ポンドを投資する計画を発表しました。これはその前の5年間の投資額のほぼ2倍に当たります。
     
  • サイバーセキュリティは成長著しい分野であり、2021年には輸出額が26億ポンドに達すると予測されています。
     
  • 英国には、ヨーロッパ最大のアクセスしやすいサイバーセキュリティ市場が形成されており、関連企業が集中し、10万人以上がそこで働いています。
     
  • 英国のサプライチェーンは、専門領域で活躍するスタートアップから多国籍企業まで、幅広い企業で構築されています。
     
  • National Cyber Security Centre (NCSC) は、2016年の設立以来、何千万件もの不正な電子メールを阻止しました。
     
  • 英国政府は、チェルトナムとロンドンにある世界トップクラスのイノベーションセンター2施設に資金を投入しました。この政府とテック系スタートアップ企業との画期的なパートナーシップにより、英国と海外の組織をサイバー攻撃から守る最先端技術の開発を目指します。また、新規に1,350万ポンドを投入して、イーストロンドンにサイバーイノベーションセンターを設立することが発表されました。これにより、2,000人の雇用がサイバーセキュリティ分野で生まれることになります。
     
  • 英国は、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの5カ国による諜報協定 (通称:Five Eyes) の締結国です。
     
  • ベルファストは、アメリカによるサイバーセキュリティ海外直接投資先のトップです。
     
  • 現在の英国のサイバーセキュリティの技術力は、100年以上におよぶ情報通信分野における脅威に対する防衛の豊富な経験によって培われています。

 

英国政府通信本部 (Government Communications Headquarters、通称GCHQ) は、世界トップクラスの諜報・国家安全保障機関です。2016年、GCHQ は、自身そしてCentre for Cyber Assessment、Computer Emergency Response Team (CERT) UK、Centre for Protection of Critical Infrastructureの知識の粋を集め、National Cyber Security Centre (NCSC)を設立し、さしせまるサイバー戦の脅威に対処する機関としました。

 

2017年には、未来に向けた取り組みとしてNCSC Cyber Acceleratorが設立され、人工知能(AI)を活用してサイバー攻撃を未然に防ぐ革新的なスタートアップ企業を支援しています、。また、そのほかの取り組みとして、さまざまな人材育成プログラムを実施しています。14歳から18歳の若者を対象としたCyber Discovery Programmeは、これまで2万3000人が参加しています。また、政府によるCyber Awareキャンペーンでは、550以上の民間の協力機関が参加して、個人や企業が一般的なサイバー犯罪の多くを未然に防ぐため、基本的な手段を講じることを推奨しました。 

 

世界最高レベルのサイバーセキュリティインフラが必要なことは、明白な事実です。そのため、英国は 複数の重点領域を設定して万全の体制を整えています:
 

  • 政府機関 - 不十分なサイバーセキュリティ対策や、政府・公共機関におけるデジタルトランスフォーメーションへの移行の大幅な増加が脅威となることを認識。
     
  • 金融機関 - 金融サービスのデジタル化と顧客の信頼確保が不可欠であり、フィンテックは成長分野。
     
  • 自動車産業 - 自動車が「スマート化」するにつれて、次世代型車両の脆弱性を標的にしたハッキングにより、サイバー脅威が増大。
     
  • エネルギー・重要国家インフラ - デジタルインフラは広く普及し、スマートグリッドやスマートデバイスの登場により、エネルギー分野がサイバー攻撃にさらされる可能性が増加。セキュリテイの確保のため、レガシーシステムの大半は継続的なメンテナンスとサポートが必要。
     
  • 保健医療 - 医療機関や製薬会社は大量の患者データや貴重な知的財産を保有しており、保護が必要。医療分野のイノベーションは、医療データの追跡から臨床生命維持システムまでプライバシー、安全、セキュリティが確保されてこそ実現する。 
     
  • インフラストラクチャー - インフラにデジタル技術を導入することで、鉄道のスマート発券から世界の空港でのデジタル化された顧客体験まで、生活は便利になった。一方で、システムのセキュリティ対策が不十分だった場合、深刻なシステムダウンや個人データの流失が起きかねない。

 

英国は、アトリビューション分析、脅威インテリジェンス、モニタリング、合法的傍受、戦略立案・コンサルティング、商業化とリサーチ、 モノのインターネット (IoT) と産業用制御システム(ICS)、自律システム、金融サービス、AI応用、暗号化を強みとしています。

 

2017年、ランサムウェアのWannaCry (ワナクライ) は、全世界で20万台以上のコンピュータを感染させました。これは史上最悪のサイバー攻撃と言われています。英国のサイバーセキュリティ企業Darktrace (ダークトレース) は、革新的なAI技術を使ってヒトの免疫システムを模したウイルスソフトを開発し、ウイルスのさらなる拡散を食い止めました。このソフトはコンピュータがウイルスに感染していると判断すると、通常業務を妨げることなくマシンの動作を遅くしたり止めたりしてウイルスを撃退できます。

 

Darktrace (シリーズEの資金調達に成功し、2019年1月現在で15億ポンド近い企業価値があるとされています) のような企業の評判が広まり、英国のサイバーセキュリティのスタートアップのエコシステムは世界屈指のものとなりました。ほかにも、次のような成功事例があります:
 

  • ロンドンに本拠を置くAimBrain (エイムブレイン) は、生体認証技術のスタートアップで、British Growth Fund、BGF Venturesなどの英国を拠点とするベンチャーキャピタリストから400万ポンドのシリーズ Aラウンドを獲得。
     
  • スコットランドのエジンバラのスタートアップ企業ZoneFox (ゾーンフォックス) は、AIを使ってネットワーク行動をチェックする(干渉はしない)技術に対して360万ポンドのシリーズ Aラウンド投資を獲得。
     
  • 2012年に設立されたCallsign (コールサイン) は、データ分析と機械学習を使ったデジタル認証プラットフォームで、2017年に3000万ポンドの資金調達に成功した。これは英国のサイバーセキュリティスタートアップのユニコーンDarkfaceと並ぶ額。

 

とはいえ、サイバーセキュリティのイノベーターのすべてがスタートアップ企業というわけではありません。今やBTグループはセキュリティ分野のトッププレイヤーとなり、Darktraceのシステムを統合したり、2006年には別のセキュリティスタートアップを買収しています。世界的な会計事務所ネットワークであるPwCも、コンサルティングに加えサイバーセキュリティ分野に投資を行い、NCSCや民間企業と業務提携を結んでいます。 

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日本に拠点のある英国のサイバーセキュリティ企業

世界トップクラスを誇る英国のサイバーセキュリティ技術は、世界各国のサーバーセキュリティ対策に活かされています。日本にも英国を代表するサイバーセキュリティ企業が進出し、最新技術や特徴あるサービスで顧客の安全なビジネス環境の構築をお手伝いしています。日本拠点の英国サイバーセキュリティ企業の詳細は、以下をご参照ください。

 

資料を見る
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サイバーセキュリティにおける英国の支援と協力

Tech Nation は初となるサイバーセキュリティ企業向けのスケールアッププログラムを発表しました。Tech Nation Cyberは、英国で最も有名な企業の創設者や最高情報セキュリティ責任者(CISO)、投資家による育成プログラムで、収益50万ポンド、従業員数10人以上のシードからシリーズAの英国のスタートアップを対象としています。

 

London Office for Rapid Cybersecurity Advancement(LORCA)は産業界によるサイバーセキュリティのイノベーションを推進するための専門機関です。2018年に設立されたLORCAは、イノベーター、企業、投資家、学者、エンジニアが集まり、現代で最も有望なサイバーセキュリティソリューションを開発しています。LORCAは、半年ごとに新しい会員グループを募集し、スケールアップと業界のニーズに対応するために個別のサポートを提供しています。

 

Cyber Exchange は非営利の取り組みで、簡単な登録をするだけで、産業界、学術界、そして政府の参加者と交流ができ、無料で英国のサイバーセキュリティの最前線の一員として名を連ねることができます。クラウドソーシングを活用したこのサイトでは、メンバー組織は最新情報やイベント情報、リソースを掲載することにより、認知度の向上や、サイバーセキュリティ業界全体への機会創出を図ることができます。

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動画

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マルバーンクラスター

ウスターシャー州のマルバーン町(Malvern)は、複数のサイバーセキュリティ企業が集中していることから「サイバー・バレー」(Cyber Valley)として知られています。マルバーンのQinetiQ(キネティック)とチェルトナムのNCSC周辺のエリアは、サイバーサプライチェーンに統合されており、ここで創業する多くのスタートアップは、クラスターがもたらす商業価値とコネクティビティを享受しています。マルバーンクラスターは貿易、投資、学術交流を世界中に促進するための新しい地域ネットワークである「ミッドランズ・エンジン・サイバー(Midlands Engine Cyber)」内に位置しています。Malvern Hills Science Park内のNational Cyber Skills Centre(NCSC) は、「ビジネステロリズム」と称された戦いに打ち勝つため、問題に対する意識の向上とともに、オーダーメードのコースの提供という二層の取り組むを行っています。

 

さらに詳しく

 
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英国のサイバーセキュリティにおけるAcademic Centres of Excellence (ACE) 

イギリスの17大学は、サイバーセキュリティ分野における優れた研究機関であるACE in Cyber Security Researchとして、NCSCおよびEngineering and Physical Sciences Research Council(EPSRC)によって認定されています。これらの大学は、サイバーセキュリティ分野で世界レベルの研究を行っており、GCHQよりACE in Cyber Security Researchの指定を受けています。ACEは、独自の研究を通じ、英国のサイバーセキュリティの知識ベースを強化し、サイバーセキュリティ分野での高度人材を輩出し、GCHQのサイバー防衛ミッションを支援し、さらなる革新を推し進めています。英国のサイバーセキュリティ研究の一層の発展を促すため、NCSCは博士課程の学生を支援しており、2021年までに、150人におよぶ博士課程の学生が重要なサイバーセキュリティのテーマに関する研究を完了する予定です。

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北アイルランド

CSITはイノベーション知識センター(IKC)の一つで、イギリス最大の大学ネットワークセキュリティ研究所でもあり、ハイパーコネクテッドワールド、交通回廊、金融市場などの重要な課題に対応する市場情報セキュリティ技術を開発している。
 

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イングランド王国

サイバーセキュリティリサーチエクセレンスアカデミックセンターには、システム分析と検証、プライバシーとセキュリティ、マルウェア、侵入検知、サイバーセキュリティ、ボットネット、及びセキュリティソフトウェアエンジニアリングが含まれている。
 

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ブリストルセキュリティセンターは真に学際的なセンターで、工学部、理学部、そして社会科学と法学部の専門知識がここで絡み合っている。暗号研究グループと量子フォトニクスグループは、エクセレンスアカデミックセンターに大きく貢献した2つの主要な研究グループである。
 

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オックスフォード大学サイバーセキュリティセンターは、21世紀のサイバーセキュリティの課題に取り組むため、オックスフォード及び世界中の専門家を集めて設立された。
 

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ケンブリッジ大学は、世界的に有名なコンピューター研究所であるサイバーセキュリティエクセレンスセンターとしてイギリス政府の認定を受けている。サイバーセキュリティの学生と専門家が協力して、暗号学、定式化方法、ハードウェア設計、バイオメトリクス、一般的分散システムの堅牢性などの関連トピックを研究及び調査し、向上と発見の可能性を最大限に引き出している。

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ケント大学の学際的サイバースペースセキュリティ研究センターは、大学全体の専門知識を運用し、現在及び将来のサイバーセキュリティ課題に取り組んでいる。

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キングスカレッジロンドンには、博士研究を含むサイバーセキュリティの最先端研究を開発するための資金を申請する機会がある。このプログラムは、サイバーセキュリティにおけるイギリスの学力をより深く理解し、研究の機会や技術的なギャップが存在する分野を特定することを目的としている。これには、大規模なオンラインマーケティングの詐欺に対処し、サイバー犯罪をより深く理解するためのツール開発が含まれている。
 

 

ランカスターセキュリティリサーチセンターが提供する研究と教育は、個人、組織、そして社会が自己防衛し、身を守る方法を挑戦し、革新してきた。彼らは、さまざまな部門、企業や政府と関わり、協力することでこの目標を達成している。

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インペリアル大学のサイバースペースセキュリティセンターは、サイバーセキュリティの脅威が高まる中で科学に対する理解を深めることを目的とした新しい学術研究機関である。当機関は380万ポンドの助成金を受けており、全国的なサイバーセキュリティのあらゆる分野において学力を向上させるという政府間のコミットメントの一部を表している。
 

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セキュリティ科学技術研究所の中核的なミッション分野は、サイバースペースセキュリティ(CBRN)脅威の低減、重要な基本施設の保護、及び生物学的と環境的セキュリティが含まれている。
 

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このセンターには、暗号化、セキュリティにおけるヒューマンファクタ、エンドツーエンドのシステムセキュリティ、言語に基づくセキュリティ、プログラムの検証と分析など、さまざまなサイバーセキュリティ分野をカバーする一流の研究者が集まっている。
 

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ロイヤル・ホロウェイ・ロンドン大学の情報セキュリティグループは情報(サイバー)セキュリティ分野における研究と教育を専門とする、世界をリードする学際的研究グループである。
 

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ニューカッスル大学は、心理学者、土木技師、数学者、業界パートナー、及びシステムユーザーと協力して、新しいサイバーアタック、技術の開発、及び人的要因の調査を行っている。クレジットカード詐欺の調査内容はイギリス放送協会(BBC)によって全国的に報告されており、調査結果はコンピュータや通信セキュリティの会議など最先端の国際会議で使用されている。

 

サザンプトン大学は、サイバーセキュリティ研究に関する8つの優れた研究拠点の1つである。現実世界とオンライン世界で、同僚がコンピュータサイエンス、ナノテクノロジー、プライバシー、来歴、アイデンティティの分野で最先端の技術を開拓している。サザンプトンのサイバーセキュリティは、悪意があるかどうかにかかわらず、あらゆるデジタル及び人的脅威から守るように設計されたサイバースペースセキュリティに重点を置いている。

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サリーサイバースペースセキュリティリサーチセンターは、プライバシー、通信、及び人間の安全保障に関する強力な専門知識を持っている。このセンターは、サリー大学内の豊富な機能とリソースを集めている。2004年以来、サリー大学は常にサイバーセキュリティを研究の投資優先事項としいる。

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ウォーリック大学製造工学研究所(WMG)のサイバーセキュリティリサーチセンターは、政府資金によるプログラム活動総合機関であり、これらのプログラムや活動は、政府機関、防衛機関、法執行機関内の業務活動を必要とする他の部署と共同で実行される。このセンターは研究、教育、知識移転の活動に参加しており、新しい組織とのパートナーシップを築く機会を期待している。
 

 

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ウェールズ

このエクセレンスセンターはサイバーセキュリティ分析のためのイギリス最先端学術研究ユニットであり、サイバーリスク、脅威情報、攻撃検知、状況認識に関する学際的な洞察を通じた応用データ科学と人工知能手法の解釈と効果的なコミュニケーションに焦点を当てている。当センターは、データサイエンスと人工知能によるサイバー脅威への深い洞察ができ、特にイギリスの産業戦略における人工知能産業取引のサポートと国家サイバーセキュリティセンターが行う積極的なサイバー防御能力が優れている。

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スコットランド

サイバーセキュリティとプライバシーリサーチネットワークは、情報科学、工学、数学、法律、そして政府や政治を含む社会科学分野の研究者を結びつけ、大学全体のつながりとコラボレーションを促進している。

 

雇用主が現代ビジネスが直面しているサイバーセキュリティ問題とそれらの最善解決策についてもっと理解する必要がある一方、彼らの要求はますます高くなってきており、そのためにレベル4サイバーセキュリティの見習いプログラムがリリースされた。このプログラムはブレッチリーパークという象徴的な場所から始まり、参加者は公園の素晴らしい文化遺産を楽しむことができる。

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英国のサイバーセキュリティについて、駐日英国大使館の担当チームにお問い合わせください。


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